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先端的リハビリテーション

当院では、リハビリテーションに有用な先端的な治療法を積極的に取り入れています。

CI療法

CI療法は、脳卒中や脊椎損傷後の後遺症として残ってしまった麻痺側上肢に対して、集中的リハビリテーションを行うことで機能回復を目指す治療法です。脳卒中治療ガイドライン(脳卒中学会,2004)でも麻痺側上肢の機能改善が期待できる治療法として推奨されています。

CI療法では「患肢が使えないのは、運動を抑制するように条件付けられた学習現象(学習性不使用)である」という考えから、健肢使用の制限と患肢使用の段階的訓練を柱としています。健側の拘束によって強制的に患肢を使用するようになり、日常生活動作に使用する。患肢を使うことで学習性不使用から脱却して機能が向上し、さらにモチベーションが上がると考えられます。


ボツリヌス療法

ボツリヌス療法(ボトックス療法)は、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンを筋に注射することで、痙縮を安全かつ効果的に軽減することのできる治療法です。当院ではCI療法等別の治療法とも併用しています。

先端的な機器を取り入れたリハビリテーション
先端的リハビリテーション
①ウェルウォークWW-2000

脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボットです。運動学習理論に基づき、患者様の状態に合わせたアシスト量の調整、センサーにより異常歩行を自動検知、モニターや音声により動機付けを促すフィードバック機能、を用いて歩行練習を行っています。

②部分免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)

ハーネスを用いて身体を上方に懸垂し、体重の一部を免荷した状態で、トレッドミル上を歩行するという練習方法です。特徴は、早期から歩行練習が可能なこと、長距離練習が可能なこと、転倒のリスクを減らせることです。能力に応じて免荷量や歩行速度などを調節することができます。

③免荷式歩行リフトPOPO(ポポ)

リフト機能で身体を吊り上げ、免荷することで下肢にかかる体重負荷を軽減できる歩行器です。立位・歩行練習で使用しています。ハーネスをつけているため、バランスを崩しても転倒のリスクが軽減されます。また、コンパクトなので訓練場所を選ばず、病棟でも訓練室でも使用可能です。

④歩行神経筋電気刺激装置(Walk aide:ウォークエイド)

歩行に合わせて腓骨神経を電気刺激することで足関節背屈を補助し、中枢神経障害により下垂足や尖足のある患者様の歩行を改善していくための機器です。本体に内蔵されている傾斜センサで患者様の歩行周期を検出し、各々の歩行に合わせて適切なタイミングで電気刺激が行えます。

⑤経頭蓋直流電気刺激療法(tDCS)

大脳皮質運動野の興奮性の増加と抑制をかける刺激が可能な電気刺激装置です。大脳半球間の抑制のアンバランスを修正し、脳の可塑性変化を促進する可能性があります。倫理委員会の承認を得てCI療法などの訓練に併用することで機能回復の効率を改善させることを試みています。

⑥mediVRカグラ

仮想空間上の狙った位置に手を伸ばす動作を繰り返すことで、姿勢バランスや二重課題型の認知処理機能を鍛えるリハビリテーションをサポートしています。

⑦上肢用ロボット型運動訓練装置(ReoGo®-J:レオゴーJ)

コンピューター技術とロボット工学を応用した上肢用ロボット型運動訓練装置です。訓練モード,負荷量,速度を組み合わせ多種多様な訓練が可能です。効果は脳血管疾患で上肢麻痺を呈された患者様の肩や肘の動きを改善する可能性があります。訓練以外に自主練習でも導入しています。

⑧MURO solution(ミューロ ソリューション)

経皮的な電気刺激により筋萎縮改善を促し、上肢リハビリテーションを効果的に行う事ができる装置です。当院では麻痺で手首や手指の動きが不十分な患者様に装具なども組み合わせながら、一定期間集中的に訓練で使用することにより動き改善や生活の中での実用性を図っています。

嚥下訓練機器
⑨干渉電流型低周波治療器(Gentle Stim:ジェントルスティム)

感覚障害優位の嚥下障害に対して有効性が報告されている電気治療法です。干渉波という特殊な電気刺激が嚥下関連神経を刺激し、それにより、嚥下反射の閾値低下による嚥下反射の促進、気道防御作用の効果が期待されています。痛みの少なさから幅広い患者様に適応可能です。

⑩電気療法+sEMGバイオフィードバック(VitalStim®Plus:バイタルスティムプラス)

運動障害優位の嚥下障害に対して有効性が報告されている電気治療法です。低周波を利用し、嚥下関連筋を「収縮」させることで、飲み込みに必要な嚥下筋力が向上することが期待されています。通電時に少し違和感はありますが、嚥下関連筋にターゲットを絞ってアプローチすることが可能です。